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動物看護師とペットシッターの違いと相談できること

こんにちは。「老犬との暮らし」第5回目のブログ更新です。

老犬と暮らしていくには周りからの協力は欠かせないものですが、その中でもワンちゃんのお世話をしてくれるのがペットシッターです。ワンちゃんが高齢になるにつれて、ペットシッターに依頼することが多くなったという飼い主さんも多いと思います。

そこで今回のコラムでは、サイト運営者である宮内由紀子さんがお願いしているペットシッター、「パティータ」の池田枝里佳さんに、ペットシッターの仕事についてお話を伺いました。

池田さんは動物看護師の資格も所有しており、幅広い知識で愛犬はなちゃんのお世話をしてくれているそうです。

2歳から愛犬と暮らし始め、動物に関わる仕事が夢に

Q.動物に関する資格を幅広くお持ちですが、動物看護師とはどのような資格なのでしょうか。

動物看護師はまだ国家資格ではないのですが、2022年5月1日に愛玩動物看護師法の施行が決まりました。また2023年2月~3月の間に1回目の国家試験が行われ、愛玩動物看護師という国家資格になることが発表がされています。

私も含めて、現在の動物看護師は民間資格で団体や会社によって内容が異なります。ですが国家資格になることで内容が統一され、採血やマイクロチップの埋め込み、投薬、採尿などの業務は、資格保有者でなければできなくなるとされています。私も試験の内容などが決まり次第、国家資格の取得に向けて取り組みを始めようと思っています。

Q.認定動物看護師、ASE公認動物看護師、二級愛玩動物飼養管理士など、現在お持ちの資格は専門学校で取得されたのですか?

幅広い資格を取得できる学校だったので、ほかにペットセーバーやASE公認トリマーという資格も専門学校時代に取得しました。ただメインはやはり動物看護師で、私が専門学校に通っていたときも、動物病院に就職するには動物看護師の資格保有者が優遇されていました。

Q.どのような経緯でペットシッターになられたのですか?

私は2歳の頃から愛犬と一緒に暮らしていたので、小学生の頃には自然に動物関係の仕事をすることが夢になっていました。ただ専門学校に通っていたときに愛犬が亡くなってしまい、動物と触れ合うことが反対に怖くなってしまいました。そのため卒業後は別の仕事をしていましたが、悲しみも癒えた頃に「やはり動物に関わる仕事がしたい」と動物病院で動物看護師として働き始めたんです。

やがて、一匹の動物にもっと寄り添う仕事をしたいと思い、ペットシッターになりました。当初はペットシッターの会社で勤務していましたが、現在は独立してペットシッターの会社「パティータ」を設立し、専属ペットシッターとして働いています。

ペットだけではなく、飼い主さんとのコミュニケーションも大切に

Q.ペットシッターというのは具体的にどのようなお仕事をしているのですか?

赤ちゃんのお世話をするベビーシッターという職業と同様に、飼い主さんの代わりにペットのお世話をするのが仕事です。お出かけになるとき、ペットのお世話ができないときなどにお宅に訪問させてもらってお世話をしていますが、旅行に出かけるなどで1週間預かるといったこともしています。ワンちゃんならご飯の用意やお散歩など、普段通りの生活ができるようにサポートしています。

私の場合はできるだけ飼い主さんのお話を聞いて、それに沿って接するようにしています。ご飯をあげるのも種類だけではなく、どの食器であげているかなども細かく対応しています。そのほか、どこで寝ているか、どこが居心地が良さそうか、どのおもちゃが好きかといったことも伺って、できるだけその通りにしています。

Q.ペットへの接し方だけではなく、飼い主さんとのコミュニケーションも大切にしているんですね?

ワンちゃんのことは飼い主さんがよく知っているので、ワンちゃんのためにもできるだけ飼い主さんから聞きたいことは聞きますし、話しおきたいことはすべて聞くようにしています。

初めてのお客様の場合は、お預かりをする前にお打ち合わせをさせてもらいますが、長いときでは3時間になったこともあります。もちろん打ち合わせが短いときもありますが、飼い主さんも可愛いワンちゃんを預けるので伝えておきたいことがありますし、私も聞ける話はすべて聞きたいと思っているので、長くなることが多いですね(笑)。

Q.ペットと接するときに心がけていることはどんなことですか?

普段との違いをワンちゃんができるだけ感じないように心がけています。飼い主さんではなく、私がお世話をすることだけでストレスを感じているはずなので、そのストレスを小さくするために声の掛け方や名前の呼び方にも気をつけています。

ワンちゃんにとって、私も家族の一員だと感じてくれてたらいいなといつも思っています。

Q.1200件以上のシッター経験があると聞きましたが、馴染んでくれないワンちゃんもいるのではないですか?

そこがペットシッターの醍醐味でもあると思っているんですよね(笑)。特に私は人見知りの子が好きで、そういう子に心を開いてもらった瞬間が本当にキュンキュンしちゃいます(笑)。

それぞれに性格があるので一概には言えませんが、話しかけ方や距離感の詰め方など、興味を持ってもらえるようにいろいろ工夫するのも楽しいんです。少しずつ距離が詰まってきたときは、より楽しくなりますね。

そういう姿も飼い主さんにお伝えしたいので、写真や動画に収めて見てもらうと「こんなに懐いたのは珍しい」と言っていただけたりします。

ペットシッターを選ぶ際はワンちゃんがストレスを感じないところに

Q.これまでたくさんの飼い主さんとも触れ合ってきたと思いますが、ペットシッターを選ぶ際のポイントをどう感じていますか?

ひと言でペットシッターと言いますが、いろいろな形態があるんです。例えば、私のように専門で行っていたり、法人形態で行っているところもあれば、主婦や学生のアルバイトが空き時間に行っているということもあります。それぞれのペットシッターにはメリットがありますので、それが飼い主とって、あるいはペットにとって魅力的に感じるところを選ぶといいと思います。

例えば、大手企業であれば保証体制が適切に確立されていますし、シッターの数が多いので予約が取りやすいなどのメリットがあります。一方、近所の学生さんなどであれば気軽に頼めますし、費用も抑えられるといった利点があります。私のような個人で行っているところであれば、専属のペットシッターとして長くお世話してもらえるはずです。私も、長く見てもらいたいといった飼い主さんには特にありがたられますね。

Q.ペットシッターといってもいろいろな形態があるのですね?

そうですね。それぞれに特徴があるのでどこと決めずに、飼い主さんの都合でいくつかのペットシッターを使い分けるのでもいいと思っています。ただ優先するのはやっぱりワンちゃんなので、ワンちゃんの性格を把握して、ストレスなく過ごせるようなペットシッターを選んであげてほしいですね。

宮内さんのコメント

池田さんは本当にペットが好きで、うちのはなも本当に可愛がってくれます。それから動物看護師の資格を保有していて動物病院でも働いていた経験があるので、体調の変化などにもいろいろ気づいてくれます。分かりやすく言うと、看護師さんがベビーシッターをしているという感じでしょうか。はなちゃんは腎臓が悪いので、排尿の状態などもよく見てくれますし、食べ物や飲み物などの相談にも乗ってもらっています。