category

カテゴリー 一覧

うちの猫もしかして認知症?老猫ボケの見極め方と対処法

猫にも、人間と同じように認知症があります。
今回は、老猫の認知症(老猫ボケ)の予兆から症状、似た病気、治療方法、自宅でできる改善策についてご紹介いたします。

老猫ボケ(認知症)の予兆はある?

老猫の認知症の予兆は、日常的な行動の中に潜んでいることがあります。
具体的には、以下の4つの例があげられます。
・徘徊することが多くなった。
・排せつに失敗するようになった。
・名前を呼んでも、反応が鈍くなってしまった。
・日常的に、動きが遅くなった。
もちろん、他の病気や老化による筋力低下の原因も十分あり得ますが、認知症としての予兆としても考えられるので、不安を感じたら獣医師にみてもらいましょう。

老猫ボケ(認知症)の症状とは?

老猫の認知症には、以下のような主に当識障害と接し方の変化に加えて、他にも様々な症状があります。

当識障害

・家の中で迷う。
・飼い主がわからなくなってしまう。
・ドアや壁の前に立ちすくむ。
・何もないところに向かってぼんやり立ち尽くす。
・壁や柱など障害物に向かって歩き、ぶつかりに行ってしまう。
・こぼした餌を見つけられない。

社会的相互作用(接し方)の変化

・挨拶行動が低下する。
・甘えやなでられへの興味がなくなってしまう。
・飼い主や他のペットに対しての必要以上なつきまといや執拗な攻撃、無関心といった対応をする。
・必要以上に、騒音や人、特定の場所に対して、恐怖心を抱くようになる。

他には、以下の症状が該当することもあります。
・食事の異常(過食や食欲不振)を起こす。
・自分の体を噛んでしまうなど、自傷行為をしてしまう。
・ぐるぐる同じ場所を回る。
・不眠や過眠、夜中の徘徊などの睡眠覚醒周期の変化を起こす。
・トイレ以外の排せつや失禁などのトイレの粗相をしてしまう。

老猫ボケ(認知症)の症状と似た病気

特に以下のような症状の場合、次のような病気も疑われます。

無駄鳴きや夜鳴き

・甲状腺機能亢進症
・高血圧症
・脳腫瘍

トイレの失敗

・膀胱炎などの尿路疾患
・運動器や関節の疾患

異常な食欲

・甲状腺機能亢進症
・糖尿病
・腫瘍

攻撃的な性格が現れる。

・甲状腺機能亢進症
・脳腫瘍
・関節の疾患による痛み

ご自宅の猫の認知症を疑ったときは、自己判断に頼らず、早めに動物病院に相談しましょう。

老猫ボケ(認知症)の治療方法はある?

老猫の認知症の治療は、その症状によって様々な治療方法があります。
例えば、夜鳴き症状が頻繁にみられる場合は、猫の不安軽減をさせるような抗不安剤を使った治療法が取られることがあります。
そこで、認知症の猫に、以下のようなものが動物病院から処方されることもあります。

・認知機能の改善に用いる猫用のサプリメント
・認知機能不全に配慮した高齢猫用のキャットフード
特にこのキャットフードには、以下のような青魚に含まれる栄養を含んだものが挙げられます。
具体的には、
・EPA(エイコサペンタエン酸)
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
・オメガ3脂肪酸
などです。

老猫ボケ(認知症)の家でできる改善策

ご飯を工夫する

認知症を発症した、もしくはその予兆がある猫に、ご自宅でできる「認知症改善策」をご紹介します。
捕食行動を模した食事として、「獲物を探し、見つけて、追って、捕まえて、食べる。」の一連の流れを経験させる方法です。
・レーザーポインターや光るもので遊ばせながら再度フードを置いた場所へ誘導する
・透明な素材や中身が見える容器を用いた知育トイで猫に関心を抱かせやすくする
このような頭と体を使う習慣を身に付けさせることが、認知機能の低下を遅らせることにつながります。
仮に、知育トイが無くても、
・穴の開いたペットボトルにフードを入れて食べさせる
・ティッシュボックスにフードを入れて隠す
・キャットタワーの段差にフードを隠す
といった工夫をすることも有効です。

遊ぶ意欲をかり立てる

高齢になって認知症となった猫は遊ぼうとする意欲が見られないことがあります。そのときは、まず、猫が興味を示すおもちゃを探すことから始めて、
・小動物の毛
・かさかさと音がするビニールがついているねこじゃらし
など、動かしたときに触感や音などの刺激を与えてくれるもので、動かしたり止めたりしながら、おやつを与えましょう。根気よく反応を見ながら、見守ってあげることが大切です。

不安を感じたら、早めに獣医さんに診てもらおう

今回は、猫の認知症(老猫ボケ)の予兆、症状、似た病気、治療方法、ご自宅でできる認知症の改善策などについて、ご紹介いたしました。
もちろん、皆さんのご自宅の猫には一匹一匹個性があります。その中で、この症状や行動は本当に大丈夫なのかと不安になることもあるかと思います。
同時に、猫たちも、症状や行動を通して、自分たちの状況を飼い主さんに伝えようとしています。伝わらないうちは、猫も不安を感じています。
だからこそ、ご自宅の猫のちょっとした変化も見逃さずに獣医さんに診てもらうことで不安をなくしましょう。そして、少しでも元気な姿を見せてくれるまで末長く見守ってあげましょう。